【短】見えない虹
僕のために歌ってよ
そう言えたらどれだけ楽だろうか
でも君の歌は本当に多くの人を幸せにすると思うんだ
だからその歌声は僕だけに向けさせちゃいけない
「これから、いっぱい歌うことになると思う。」
黙って相槌を打つことしか僕は出来ない
「でも、今まで好きな気持ちだけで歌ってたのがこれからはハコも用意されてない足を止めてくれる人がいるかも分からないそんな環境で歌うって考えたら、私の好きが通用しなかったらそう考えたらなんのために歌えばいいのか分からなくなっちゃった。」
力なく笑う君は苦しそうで目を逸らした
ファンのために歌えとか見知らぬ誰かのために歌えとかそんな事は言えない
まして、自分を見失う事を恐れる君に自分のために歌えなど言えない