春色に恋して
風邪が見事に完治して、みんなより3日間遅れの新学期!
「おはよー、郁!」
クラスのドアを開けると早々、1人の女の子が私に話しかけてきた。
彼女は竹下 舞衣(タケシタ マイ)ちゃん。高1の時に同じクラスで知り合って以来、友達なんだ。
「今年もよろしく!…それでさ、残念なお知らせがあるんだけど…」
「え?」
うわあ…嫌な予感しかしないんだけど。
「郁、図書委員なんだよね…」
何が残念なんだろう…?
私が首をかしげると、舞衣は目を見開いた。
「えっ、ちょ、知らないの?図書委員は放課後に居残りになったりするんだよ?!遊べないじゃん!…ちなみに私と委員会違うし…」
えっ、えええー…何それ。
「ごめん、私が何か言ってやればよかったかもしれない。なんか学級委員長が大雑把な人で…勝手に郁を余り物の図書委員に…」
「あ、それで早速、今日の放課後委員会あるらしいから…。」
そう言って舞衣ちゃんは友だちに呼ばれて窓際の方へ行った。