涙の、もっと奥のほう。
だって今日までお父さんに会いたいと思った事がないのだから。

お母さんを責める要素なんて、一つもない。

ただ…ただ確認したいのは死因。

お母さんが死んだ原因を確かめたい。

本当に病気なのか、本当はそうじゃないのか…

「お母さん、私、お母さんのこと責める気なんか少しもないよ。」

私の言葉を聞いて、お母さんは目に涙をいっぱいに溜めた。

「私が離婚なんてしたから、私が死んだ後も龍奈が寂しい思いしたんじゃない!」

涙声で私が思ったことと同じ事を言った。

「きっと同じだったよ、お父さんがいても。外に女作るような男、お父さんであってお父さんじゃない。私、お父さんに会いたいって思った事ないもん」
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