涙の、もっと奥のほう。
ある日の夜、どうしても泣き止まない私をお父さんは殴った。

それが留めになるとも知らずに。

案の定夫婦の殴り合いが始まり、その日から離婚までの半月は口も聞かずに、お父さんは私に触れようともしなかった。

次第に気まずさすら消え失せ、口を聞かない事が当たり前になった。

そして最後に、姑との喧嘩があった。

荒れて、当たり散らしたい気持ちのお母さんを放って、お父さんは自分の母親の肩を持った。

喧嘩のきっかけは、私が泣き止まなかったこと。

虫の居所が悪かった姑に、私の泣き声が五月蝿いと怒鳴られた。
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