黄色いチューリップ 【短編】
あれから私は毎日花屋に通うようになり、

お兄さんは休日になる度に病院に通うようになった。

お姉ちゃんは次第に殻にこもるのをやめ、

体調も回復していった。

「百合の花言葉知ってる?」

花屋に通って24日目の事だった。

「私の名前って百合だけど、花言葉は考えたことなかったな」

「百合はね、『純粋』って言う意味があるんだよ」

「君にぴったりだね」

その時だと思う。

私がお兄さんに恋をしたのは。

全てが新しい景色になった。
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