おひとりさま
一人で海に行くようになった時、海の近くに小さな喫茶店を見つけた。

コーヒーが苦手な自分は、いつも紅茶とサンドイッチを頼んでいた。

そのうち、店のおじさんとおばさんに顔を覚えられ、行くたびに、いつもの?と聞かれるようになった。

高校一年生が終わりかけの頃、喫茶店にアルバイト募集の張り紙が出されていた。

温かい紅茶とサンドイッチを運んできたおばさんに聞いた。

「アルバイト募集してるんですか?」

「うん。もう、歳だし疲れてきちゃってね。」

「働かせてください。」

おばさんは、少しびっくりして、紅茶とサンドイッチを食べながら、形だけの面接は終わった。
< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop