私と恋をはじめませんか
「確かにそうですね」
律子さんなんか、いっつも『篠ちゃん、篠ちゃん』って可愛がっているもんなあ。
「有村はさ、いっつもニコニコしてて自分から近寄ってくる……言うなれば犬?」
「うんうん」
「でも、篠田って、あんまり心開かないでしょ? 人見知りで不愛想で。でも、慣れてくると話してくれるし、結構優しいしさ。それがなんだか猫って感じ」
「確かに、猫っぽいかも」
崎坂さんの言葉に、私も大きくうなずく。
有村さんが犬で、篠田さんが猫。
動物に例えるなら、確かにそれがとてもしっくりいく。
「普段中々見られないからこそ、笑顔だったり可愛い姿が見れるのが幸せっていう、小春ちゃんの気持ちもわかる気がするのよね。ほら、有村の笑顔にはレア感ゼロでしょ?」
「まあ、そうですね」
「芽衣も小春ちゃんも、なんだか俺のことバカにしてねぇ?」
「え? そんなことないですよ。有村さんの笑顔はとても素敵だと思います」
慌ててフォローを入れる私と、スルーを決め込む崎坂さん。
「篠田さんにもっと近づきたいけど、どうすればいいのかわかんないんです」
「小春ちゃんにこれだけ思われるなんて、篠田も幸せ者ねぇ」
テーブルに突っ伏す私の頭を、崎坂さんが優しく撫でてくれる。
「とりあえずさぁ、メシとか誘ってみれば?」
「有村さん……」
「何? 小春ちゃん。怖い顔して」
「それが簡単にいかないから、こうして崎坂さんに相談に乗ってもらってるんじゃないですか」
思わずジト目になる私を見て、有村さんがニカッと笑う。
「ここはお兄さんに任せなさい!」
「大丈夫? 有村に任せたらロクでもないことになるような気がして怖いんだけど」
「お前なあ。もうちょっと彼氏のこと信用しろよ」
そう言いながら、有村さんは立ち上がる。
「どこ行くの?」
「ちょっと電話かかってきてるから、一旦席外すわ」
右手に持ったスマホを私たちにヒラヒラと見せて、有村さんは個室の襖を開け、外へと出ていく。
その後ろ姿を見つめながら、崎坂さんが大きなため息をついた。
「ごめんね、小春ちゃん。有村が勝手で」
「いえ。おふたりに相談に乗ってもらえてうれしいです」
律子さんなんか、いっつも『篠ちゃん、篠ちゃん』って可愛がっているもんなあ。
「有村はさ、いっつもニコニコしてて自分から近寄ってくる……言うなれば犬?」
「うんうん」
「でも、篠田って、あんまり心開かないでしょ? 人見知りで不愛想で。でも、慣れてくると話してくれるし、結構優しいしさ。それがなんだか猫って感じ」
「確かに、猫っぽいかも」
崎坂さんの言葉に、私も大きくうなずく。
有村さんが犬で、篠田さんが猫。
動物に例えるなら、確かにそれがとてもしっくりいく。
「普段中々見られないからこそ、笑顔だったり可愛い姿が見れるのが幸せっていう、小春ちゃんの気持ちもわかる気がするのよね。ほら、有村の笑顔にはレア感ゼロでしょ?」
「まあ、そうですね」
「芽衣も小春ちゃんも、なんだか俺のことバカにしてねぇ?」
「え? そんなことないですよ。有村さんの笑顔はとても素敵だと思います」
慌ててフォローを入れる私と、スルーを決め込む崎坂さん。
「篠田さんにもっと近づきたいけど、どうすればいいのかわかんないんです」
「小春ちゃんにこれだけ思われるなんて、篠田も幸せ者ねぇ」
テーブルに突っ伏す私の頭を、崎坂さんが優しく撫でてくれる。
「とりあえずさぁ、メシとか誘ってみれば?」
「有村さん……」
「何? 小春ちゃん。怖い顔して」
「それが簡単にいかないから、こうして崎坂さんに相談に乗ってもらってるんじゃないですか」
思わずジト目になる私を見て、有村さんがニカッと笑う。
「ここはお兄さんに任せなさい!」
「大丈夫? 有村に任せたらロクでもないことになるような気がして怖いんだけど」
「お前なあ。もうちょっと彼氏のこと信用しろよ」
そう言いながら、有村さんは立ち上がる。
「どこ行くの?」
「ちょっと電話かかってきてるから、一旦席外すわ」
右手に持ったスマホを私たちにヒラヒラと見せて、有村さんは個室の襖を開け、外へと出ていく。
その後ろ姿を見つめながら、崎坂さんが大きなため息をついた。
「ごめんね、小春ちゃん。有村が勝手で」
「いえ。おふたりに相談に乗ってもらえてうれしいです」