私と恋をはじめませんか
私たちの姿を認識して歩いて来ようとしたけれど、何を思ったか急に方向転換をして、別のテーブルへと行ってしまった。
「アイツ、私のこと避けてるな」
「そりゃそうでしょう。絶対きょんちゃんのこと、怖がってると思うよ」
「うわ、失礼な」
だって、きょんちゃんを見た瞬間、松嶋くんが怯えた顔をしたんだもん。
なんてこと、きょんちゃんに言えるわけもなく、私は黙ってお味噌汁を飲み干したのだった。
そして、約束の金曜日がやってきた。
相変わらず篠田さんとの距離は縮まることもないけれど、離れることもなく。
あのホテルでの光景を思い出すと今でも胸が痛むから、私のほうからも必要なとき以外は話しかけないようにしているから、もしかしたら離れているのかも知れないな。
だけど、篠田さんの態度はいつも変わらず。私だけが心の中で気にしている状態が続いている。
こんな状態で合コンに行っても大丈夫なのかな。
そう思ってきょんちゃんに聞いたことがあったけど、「大丈夫」ときょんちゃんは笑うだけ。
何が大丈夫なのかは私にもよくわからないけれど、もう約束はやってきてしまった。
ここまできたら腹をくくって、参加しようと決意して、今日を迎えているのだった。
「おはようございます」
いつものように淡々とした表情で、篠田さんが入ってくる。
「おはようございます」
私も普段と同じように挨拶を返し、始業準備に取り掛かった。
不意に内線が鳴ったのは、昼休憩もすんだ午後の二時。
『お疲れ様です。商品開発研究、崎坂です』
思わぬ芽衣さんからの内線に、私は驚きの声を上げる。
普段、芽衣さんが仕事の件で直接私に内線をくれることはあまりないから。
びっくりしながらも、電話の向こうの芽衣さんに話しかける。
「どうしたんですか?」
『仕事中にごめんね。どうしても気になって。単刀直入に聞く、小春ちゃん合コン行くの?』
「は、はい。でもどうして?」
『開発のほうで話してたの聞こえちゃって』
「アイツ、私のこと避けてるな」
「そりゃそうでしょう。絶対きょんちゃんのこと、怖がってると思うよ」
「うわ、失礼な」
だって、きょんちゃんを見た瞬間、松嶋くんが怯えた顔をしたんだもん。
なんてこと、きょんちゃんに言えるわけもなく、私は黙ってお味噌汁を飲み干したのだった。
そして、約束の金曜日がやってきた。
相変わらず篠田さんとの距離は縮まることもないけれど、離れることもなく。
あのホテルでの光景を思い出すと今でも胸が痛むから、私のほうからも必要なとき以外は話しかけないようにしているから、もしかしたら離れているのかも知れないな。
だけど、篠田さんの態度はいつも変わらず。私だけが心の中で気にしている状態が続いている。
こんな状態で合コンに行っても大丈夫なのかな。
そう思ってきょんちゃんに聞いたことがあったけど、「大丈夫」ときょんちゃんは笑うだけ。
何が大丈夫なのかは私にもよくわからないけれど、もう約束はやってきてしまった。
ここまできたら腹をくくって、参加しようと決意して、今日を迎えているのだった。
「おはようございます」
いつものように淡々とした表情で、篠田さんが入ってくる。
「おはようございます」
私も普段と同じように挨拶を返し、始業準備に取り掛かった。
不意に内線が鳴ったのは、昼休憩もすんだ午後の二時。
『お疲れ様です。商品開発研究、崎坂です』
思わぬ芽衣さんからの内線に、私は驚きの声を上げる。
普段、芽衣さんが仕事の件で直接私に内線をくれることはあまりないから。
びっくりしながらも、電話の向こうの芽衣さんに話しかける。
「どうしたんですか?」
『仕事中にごめんね。どうしても気になって。単刀直入に聞く、小春ちゃん合コン行くの?』
「は、はい。でもどうして?」
『開発のほうで話してたの聞こえちゃって』