私と恋をはじめませんか
篠田さんは、私と目が合うとゆっくりとこっちに向かって来た。
そして、私の目の前で立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「え? いや。その……」
なぜここに篠田さんがいるのか、疑問に思って聞いてみるけど、篠田さんは歯切れ悪く何も答えてくれない。
目も、さっきは一瞬合った気がしたのに、今は私が見つめても視線を逸らされてしまう。
「このあたりに住んでるんですか?」
「いや。住んでる場所は違うけど……。あ、あのね、高原さん」
「はい?」
「えっと、その……。合コンは、楽しかったですか?」
突然の篠田さんからの爆弾発言に、私は目を丸くする。
「な、なんでそのこと……」
「崎坂から、聞いた」
芽衣さんが?
思わぬところで飛び出した名前にびっくりする。
「急に崎坂から社内メールがきて、高原さんが合コンに行くことを知らされて」
確かに今日、芽衣さんは私が合コンに行くことを知ってたけど、なぜ篠田さんに教えたんだろう。
芽衣さんの真意がわからなくて考えこんでいると、篠田さんが小さな声でクスリ、と笑った声がした。
「なんで笑うんですか?」
「悩んでるな、って思って」
「私が悩んでいたらおかしいですか?」
「違う、違う。そうじゃなくて」
思わず頬を膨らませると、篠田さんが慌てたように手をブンブンと横に振った。
フウッ、と大きく息を吐きだした篠田さんと、私の瞳がぶつかる。
「高原さんって、表情クルクル変わるから、見てて楽しいんですよ」
「篠田さんはわかりにくいですよね」
「それはよく言われます」
私の少しばかりの反撃に、篠田さんが苦笑いを浮かべた。
「崎坂にメールもらってから、気が気じゃなくて。仕事も手がつかなくてそれで、場所を聞いて待ってました」
トクン、と心臓が高まる音がした。
目の前の篠田さんは、いつものように淡々とした顔をしているけど、よく見ると耳が真っ赤になっている。
そして、私の目の前で立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「え? いや。その……」
なぜここに篠田さんがいるのか、疑問に思って聞いてみるけど、篠田さんは歯切れ悪く何も答えてくれない。
目も、さっきは一瞬合った気がしたのに、今は私が見つめても視線を逸らされてしまう。
「このあたりに住んでるんですか?」
「いや。住んでる場所は違うけど……。あ、あのね、高原さん」
「はい?」
「えっと、その……。合コンは、楽しかったですか?」
突然の篠田さんからの爆弾発言に、私は目を丸くする。
「な、なんでそのこと……」
「崎坂から、聞いた」
芽衣さんが?
思わぬところで飛び出した名前にびっくりする。
「急に崎坂から社内メールがきて、高原さんが合コンに行くことを知らされて」
確かに今日、芽衣さんは私が合コンに行くことを知ってたけど、なぜ篠田さんに教えたんだろう。
芽衣さんの真意がわからなくて考えこんでいると、篠田さんが小さな声でクスリ、と笑った声がした。
「なんで笑うんですか?」
「悩んでるな、って思って」
「私が悩んでいたらおかしいですか?」
「違う、違う。そうじゃなくて」
思わず頬を膨らませると、篠田さんが慌てたように手をブンブンと横に振った。
フウッ、と大きく息を吐きだした篠田さんと、私の瞳がぶつかる。
「高原さんって、表情クルクル変わるから、見てて楽しいんですよ」
「篠田さんはわかりにくいですよね」
「それはよく言われます」
私の少しばかりの反撃に、篠田さんが苦笑いを浮かべた。
「崎坂にメールもらってから、気が気じゃなくて。仕事も手がつかなくてそれで、場所を聞いて待ってました」
トクン、と心臓が高まる音がした。
目の前の篠田さんは、いつものように淡々とした顔をしているけど、よく見ると耳が真っ赤になっている。