私と恋をはじめませんか
この一瞬の挨拶でも、篠田さんは目も合わせてくれない。

確かに有村さん、『ちょっと不愛想』って言ってたけど、これってちょっとどころじゃなくて、とっても不愛想じゃない?

「じゃあ、まずは電話の取り方から教えますね」

「あ、はい」

有村さん。私、篠田さん苦手かも知れません。

相談なんて、出来そうにないよ~っ!

淡々と説明を始める篠田さんの横で、私はこれから始まる社会人生活に一抹の不安を覚えながら、必死でメモを取っていた。

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