最期の1秒まで。
小学5年生になってやっと、
私が父親に虐待されている事が
近隣に知れ渡り、父親は捕まった。
私は清々すると同時に少し悲しかった。
また1人、家族を失った。
私は母方の祖母に引き取られた。
それから数年。
そんな私も高校2年生になった。
「ミヤ〜!おはよう」
「おはよう。モエ」
私の親友。宮坂萌花 (ミヤサカ モエカ)。
モエは明るくてみんなから好かれる子。
モエは、本当に素敵な子だ。
「ミヤ〜、もう夏だね〜暑いよ」
「まだ6月だよ〜早いって」
生ぬるく、しっとりとした風が
私の肌に触れる。
「そういえばね、今日一年の途中から
外国に行ってた子が帰ってくるんだって!」
「モエ誰か知ってるの?」
「ううん〜、顔も知らないし
今年から同じクラスなのは知ったけど」