クールな彼のワケあり子育て事情~新米パパは甘々な愛妻家でした~
決着がつく前に、照れ隠しのようにキスをされ、この件はうやむやになってしまった。

有馬さんの手が、私の身体を探る。

息が上がる。

脚を抱え上げられたとき、私は期待と、それから今さらながらのほんの少しの不安ではちきれそうになっていて、でもそれも、身体が重なった瞬間どこかへ消えた。

がっつくなんて言っていたくせに、有馬さんはほとんど動かなかった。

じっと私を抱きしめて、ゆっくりと揺らす。

それはまた、私にメッセージを伝えてきた。"気持ちよくなるより、あなたを知りたいんです"。そんな純粋でまっすぐなメッセージ。


「あ…」


私の身体は、あっさり自分を暴露した。

突然やってきた、震えるほどの感覚に、全身が鳥肌に包まれる。


「先生?」

「や…」

「どうしたんです、すごい汗。俺、動いてないのに」


耳元に流れ込んでくる、甘く、粘つくささやき。

この人、わかってる。

私の状態も、自分がなにを与えられるはずで、なのに与えていないのか、全部わかってる。

悔しくて睨んだ。

彼が満足そうに笑った。


「叱っていいですよ」


きつく私を抱きしめて、濡れた身体同士をぴったり合わせて、有馬さんが深く、深く私を揺さぶる。

決して激しいわけじゃない。なのに私はもう声もあげられず、悲鳴の代わりになにかを逃がすように、口だけを開けていた。

だけどそれも、容赦のない唇でふさがれた。


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