ちょっと強引なキミ
「何だ。まだまだ同じ学校の奴居るじゃん」


その言葉で酒井くんと手を繋いだまま
周りを見渡すと


同じ制服を着た人達が沢山いた




遅刻してないんだ…




『良かったぁ…』


少し涙目になって酒井くんに言う



「良かったね♪」




綺麗な顔と綺麗な声と共に
笑顔を作る酒井くんは



本物の王子様だった




そして


それを思ったのは私だけじゃなく


周りにいた女子高生達もだった





「ねー、あの人かっこいい!」


「一緒に居るの彼女かな?」

「そうでしょ!手繋いでるもん!」

「やっぱりイケメンには美女が付くのか」









……




ん?






付き合ってる?



手を繋いでる?







!!!





『ちょっ!酒井くん!手ぇ離してよ!』


何故か遠慮がちに小声の私


「何でよ」


何でって…



『勘違いされるじゃん?!
同じ学校の人たちも見てるし!』



「良いじゃん、勘違いさせとけば」



『いや!酒井くん自分が
何言ってるか分かってる?』


「うん。」




酒井くんは何を考えてるか分からない。





「何。そんなに俺と手繋いでるの
見られるの嫌なの?」



嫌とゆうか、貴方に迷惑がかかるのでは…



『とりあえず酒井くん、手を───。』





手を離してと言いたかった私は
酒井くんのある行動で言うのを辞めた





「手繋ぐのが嫌ならこれでいいよね?」と
言わんばかりの顔で私を見つめては

私の少し後ろに立って
肩をくんで私の肩に自分の顔を乗せた







──ドキッ





男慣れはそれなりにしてる私だけど
こんなイケメンになると


少し調子が狂う…




けど

胸が弾んだことは私の中で
なかった事にした。







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