幸せ日和
きっかけ
「タケさん」

日和(ひより)が、グループホームで働き始めて、数ヶ月が経った。

日和は未来(みく)を、タケさんと呼び、未来も日和を、ひよちゃんと呼ぶようになった。

「山本 軍司(やまもと ぐんじ)さんですが、診察の結果、薬が今日のお昼から早速変わりますので、よろしくお願いします」

「わかりました」

日和は、薬入れから利用者の薬を出すと、新しく処方された薬を入れた。

「ひよちゃん、だいぶ慣れてきたね」

日和がいなくなると、未来は嬉しそうに笑った。

「あれぇ~?
未来ちゃんが遂に恋?」

手を止め、彩音(あやね)はニンマリと笑い、未来を冷やかす。

「バカ、そんなんじゃないよ」

素っ気なく答えながらも、未来は、日和が優花(ゆうか)とは性格が全く違うと感じていた。
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