幸せ日和
奈々たちが帰った後、

「なん…で」

涙が流れた。


-「落ち着いた?」

休憩室で、未来が日和に、ココアを出してくれた。

「…!
本当にすみません」

「いいよ、休憩時間なんだから」

「ありがとうございます…」

日和から、何か言ってくれるのを待っていた未来だが、新しい入居者の家族と、過去に何かあったのだと感じた。

「…岸本さんのお孫さんの旦那さん、わたしの元カレです。
わたし、彼に殺されかけたんです。
それから恋愛するの、怖くて…」

小さな肩が、カタカタと震えているのを見た時、未来は、思わず日和を抱きしめていた。
驚く日和に、

「ごめん、気付いたら…」

しどろもどろに話すが、肝心の、何故抱きしめたのかが曖昧になっている。
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