幸せ日和
話が終わり、おそるおそる、未来を見た。

「…みっくん、引いた?」

内容が内容なだけに、引かれてもおかしくないと覚悟を決めたが、

「引くわけないじゃん!」

未来は日和を、優しく抱きしめてくれた。
しばらくして、

「だから最近、帰るのが遅かったんだ…」

納得したように、何度も頷く。

「一緒に住むか?」

「え」

突然の事に、日和は驚いたが、小春は家が建つまで実家にいると言うし、この調子では、出産後もいるだろう。
今ならまだ我慢出来るが、赤ちゃんが家に来た事を考えると、とても耐えられそうにない。

「俺、1人暮らしだし、ひよちゃんが来ても全然気にならないよ」

付き合ってまだ間もないのに、未来はいつだって日和の気持ちを優先して考えてくれる。

その日、日和は仮眠室で朝まで過ごし、翌日は休みだったので、夜勤明けの未来と一緒に帰った。
< 20 / 49 >

この作品をシェア

pagetop