幸せ日和
女ってめんどくさい、そんな事を考えながら、車を走らせて約3時間、ようやく実家に着いた。

「着いたよ」

家の前の駐車場に車を止めて、

「ほら、早く出なよ」

いつまでも車内にいる日和に声を掛けた。

「うー…」

日和がおずおずと出て来ると、

「心配しなくても、父さんも母さんも仕事。
兄ちゃんは東京にいるし、妹は嫁いでていない…と思う」

未来が、大丈夫だ、と言うように、日和の頭をポンポンッと叩く。

「線香あげたら遊びに行こ」

未来の言葉に、日和はようやく笑顔になった。

実家に入ると、

「おかえり~♡」

髪の毛を金髪に染め、ギャルのような服装をした、妹・咲(さく)と、3歳になったばかりの、やんちゃ盛りの息子・瞬(しゅん)が、未来たちに手を振る。

「咲、話が違う」

未来は咲を睨むが、

「みっくんの彼女、見たかったんやもん」

平然と咲は答える。
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