幸せ日和
妊娠検査薬だった。
しかもそれは、陽性を意味する、線がくっきりと出ている。
それがどういう事か、男でもわかる。

「ああ…っ、クソ!
キスくらいなんだよ!
俺って本当、心が狭いな」

未来は、苛立ちから、床に拳を突き上げた…。

その日、日和は帰って来なかった。
電話も通じず、それでも、同じ職場だから良いかとタカをくくっていた。

だけれど、日和は完全に怒っていて、職場でも未来に話し掛けないし、目線すら合わない。

このままではラチがあかないので、友紀を呼び出し、真相を聞いた。

「…は、嘘だろ」

日和は、友紀とキスしていなかった。
いや、正確には、唇は触れ合っていたが、日和が眠っている間の事で、自分の意志で、友紀とキスしていない事がわかると、ヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
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