幸せ日和
彼は、名前を竹内(たけうち) 未来と言い、女の子みたいな名前が気に要らず、苗字で呼ばれるのを好むが、彩音だけは、小突かれる事をわかっていながら、未来を名前で呼んでいる。

「いったあ~い!
だってほんとの事じゃん」

彩音は唇を膨らませる。

「うるせぇよ」

未来は軽く彩音をに睨む。

「竹内君、こちら、新しく入った看護師の入江さん」

「竹内 未来。
自分の名前、嫌いだから、あんたも苗字で呼んで」

「あ…はい」

身長が高いからか、威圧感を感じる。

日和が頷くと、未来は、

「すみませんが、夜勤中の様子を確認したいんで、失礼します」

施設長に頭を下げると、その場を離れた。

そのまま、皆、業務に戻り、日和は事務所で仕事をしていた。

午前中は何事もなく過ぎ、夕方、日和が、翌日の利用者の薬を作っていると、彩音が小走りでやってきた。
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