幸せ日和
「3階の木村 美子(きむら よしこ)さんが、お昼の薬を飲んでいませんでした」
彩音によると、普段、入居者に薬を渡す時は、飲み込むまで側にいて、最後に口を開けてもらうのだが、別の作業をしなくてはならず、職員は入居者に薬を渡して、その場を離れてしまった。
薬を飲むのが嫌いな、その入居者は、薬をこっそりとゴミ箱に入れたのだと言う。
「ああ~、もう!」
日和は頭を抱えていたが、すぐに時計を見た。
「…16時か。
じゃあ、美子さんにはお昼と同じ薬を渡すから、今すぐ飲んで貰って。
それで、夜の薬を」
そこまで言って、日和はハッとした。
「ちょっ、ちょっと待って。
鴨川(かもがわ)さん、2階勤務じゃなかった?」
「安村(やすむら)さん、遅番で、夜ご飯を作らなきゃいけないからって、代わりに言ってきてって言われて…」
彩音が俯く。
彩音によると、普段、入居者に薬を渡す時は、飲み込むまで側にいて、最後に口を開けてもらうのだが、別の作業をしなくてはならず、職員は入居者に薬を渡して、その場を離れてしまった。
薬を飲むのが嫌いな、その入居者は、薬をこっそりとゴミ箱に入れたのだと言う。
「ああ~、もう!」
日和は頭を抱えていたが、すぐに時計を見た。
「…16時か。
じゃあ、美子さんにはお昼と同じ薬を渡すから、今すぐ飲んで貰って。
それで、夜の薬を」
そこまで言って、日和はハッとした。
「ちょっ、ちょっと待って。
鴨川(かもがわ)さん、2階勤務じゃなかった?」
「安村(やすむら)さん、遅番で、夜ご飯を作らなきゃいけないからって、代わりに言ってきてって言われて…」
彩音が俯く。