幸せ日和
「あなたが飲ませて下さい!
薬を飲ませて、口の中を確認するなんて5分も掛からないでしょう?
それが嫌なら、どうして薬を渡してその場を離れた?
どれだけ忙しいとしても、確認するまでは離れてはいけないと、新人の時に教わらなかったんですか?!」

日和は普段は大人しいが、カチンッとくると、相手が誰であろうと、まくしてるように話し、相手に話す隙を与えない。

優花は下唇をギュッと噛むと、何も言わずに作業に戻った。

階段で1階に戻る途中、2階の扉が開き、

「あの女にあそこまで言えるヤツ、初めて見た!
見かけによらずすげぇな、お前!」

未来が顔を出した。
朝は見せなかった人懐っこい笑顔に、不覚にもドキッとする。

「あ…ありがとうございます」

戸惑いながらもお礼を言うと、

「今頃アイツ、『悔しい~!』って地団駄踏んでるぜ(笑)」

何故か嬉しそうに笑う。
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