星にネガイゴト。

「…ねぇ、知ってる?
 夜3時にここで星を見ると、
 好きな人と話せるんだって。」

決して大きな声ではないのに
聞こえる距離にいるわけでもないのに
女の人は、パッとこっちを見て
目を見開く。

「…なんで?なんで、知ってるの?」

掠れた声で問う、彼女は
泣きそうになって下を向いた。
髪の毛で隠れて顔が見えなくなったけど、
それでも分かった。

この人が君の彼女なんだって。
愛する人なんだって。

「あ、えっとえっと、ごめんね。」

またこっちを向いた彼女は、
ちょっと困ったように笑って。

「貴方もあの雑誌を見ただけだよね。
 ただ、あまりにも、あまりにも。
 私に似てたから。」

そう呟く。
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