星にネガイゴト。
君は交通事故にあった。
居眠り運転をしていたトラックが
歩道に突っ込んで
君は呆気なく逝ってしまった。
それを聞いたのはニュースで
あんなにも君の近くにいたのに
あんなにも君と一緒にいたのに
君が死んだことを伝えるのは
無機質なテレビ。
皆が知るのと同じ速度で
君が死んだことを知った。
最初は信じられなくて
何度も君に電話した。
ねぇ、嘘だって言ってよ。
どうした、って笑いながら電話に出てよ。
何度も電話するなよ、って怒っててもいいから。
お願いだから、電話に出てよ。
何度電話をかけたか分からない。
繋がらない携帯をベットに投げつけて
でもまた、電話が来るかもしれないと
拾い上げて、
コートも着ずに外へ出た。
ねぇ、大丈夫だよね?
ニュースに出てたのは
同じ名前なだけで君じゃないよね?
格好も君に似てただけで私の見間違いでしょ?
ねぇ、心配させないでよ。馬鹿。
お願いだから。お願いだから。
私にどんな不幸が訪れてもいいから。
お願いだから、生きていて。
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