星にネガイゴト。
君は、こっちを見て
笑って誤魔化そうとして
でも上手くいかなくて
手で顔を覆った。
その時、星明かりで見えた
君の頬を伝った一筋の雫は
見間違いなんかじゃなかったと思う。

「…好きな人がいたんだ。」

顔を覆い隠しながら、ポツリと呟く。

「好きで好きでどうしようもなく好きで。でも。」

堰を切ったように話して、そこで止まる。
言葉に詰まったかのように
目線をさ迷わせて
そして吐き出すように、

「突き放した。」

そう答える。
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