星にネガイゴト。
「本当はこのまま、あいつを拐って
 ずっと一緒にいたい。」

「きっと、あいつは優しいから笑って
 “いいよ”って言うんだろうな。」

「でも、だからこそ、ダメなんだ。」

「これ以上あいつを苦しんでるのを
 見たくないんだ。」

泣きながら、そう言う君は
触れたら消えてしまいそうに儚くて
だから、声をかけるのさえ戸惑う。

「…それほどまでに
 彼女が好きなんですね。」
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