最終決戦の前夜に……。
第1章

女戦士ライカの一途な想い

【魔王の城付近】

世界を闇で支配しようと企み、光の国の姫をさらった悪しき者。魔王。

その魔王を倒す為に、1人の勇者が立ち上がった。
勇者は、戦士、武闘家、魔法使い、僧侶を引き連れ旅を続け…。


そして、苦難の末。
ついに魔王を倒す為の力を手にした勇者達は、最終決戦を目前に控えていた。

……
………。


「ライカ、見張りを交代する。
明日の為に少しは休んでおけ。」

魔王の城付近で、早朝の出立に備えて野宿をしている深夜。
そう言って、火の番をしていた私に声を掛けてくれたのは…。

振り向かなくても、その姿を見なくても声だけで分かる。勇者のエルトだ。


「平気、平気!
エルトこそ、しっかり休みなよ。
リーダーが倒れちゃったら話にならないんだからさ〜。」

思わず緩んでしまいそうになる表情をグッと堪えて、私は平然を装いながら顔だけ振り向き彼に返事をする。
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