君が見せてくれた、私の世界
「それじゃあ、お邪魔しました!」


「お邪魔しました。
想世架、身体大事にしてゆっくり休んでね。」


「うん、ありがとう。」



2人が帰ったあとのリビングは、いつも以上に静かに感じて…寂しい。


空いたティーカップを片付けながら、さっきの会話を思い返す。



「……恋…。」



私が恋?


男の子が…人が怖かった私が…?


有り得ない。


私なんかが、恋なんて出来るわけない。



「……あっ…!」



ガシャン!とティーカップの割れる音がする。


どうしよう…。


今日、ママは講演会に行ってて帰りが遅い。


パパ…も遅い。



「あっ!!」



せめて、欠片だけでも拾おう…と思って、手を伸ばすと。


ガタン!!と音がして、車椅子ごと倒れ込んだ。





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