君が見せてくれた、私の世界
「私も、1人で歩いてみたいんです。
可愛いサンダルを履いたり、ちょっと大人びたヒールを履いて…歩きたい。
……好きな人の隣で、歩きたいんです。」



…本当は…冷泉くんと隣で、歩きたい。


冷泉くんと笑いあって、一緒に歩きたい。


冷泉くんの近くで…冷泉くんと同じくらいの視線を味わいたい。


車椅子から見える景色じゃなくて……。


もっと、もっと高いところから見てみたい。



「想世架ちゃんの気持ちに、良い変化が訪れたんだね。…すごい良いことだ。」



…でもね、と九条先生は渋い顔をする。


反対される…?


いいよ、覚悟してたし…なんとなく分かってたから。


でも、それくらいで諦めることなんて出来ない。


私の気持ちは、決まってるんだから。




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