君が見せてくれた、私の世界
「今の君の身体には…難しい。
リハビリが辛いことは分かってるね?」


「……分かってます。」


「アメリカで少しの期間だけ、リハビリをしてたことは報告が来てるよ。
…でも、体力が持たなくて辞めたんだろう?」


「……はい。」


「それが今になって回復してるとは、言えない。
…君の身体を考えるならば、今1番必要なのはリハビリじゃない。
絶対的に安静にしてることだ。」



……!


九条先生の顔が、いつもよりも厳しい。


怖いくらい、厳しい顔をしてる。


……でも。


諦めたくないんだよ。



「それでも、私は…歩きたいです。
歩けないくらいなら…このまま車椅子で生活するくらいなら。
…こんな命は、ほしくない。」


「……!」


「周りの子が当たり前に出来ることが、私には出来ないんです。
周りに迷惑ばかりかけて、生きていくなんて…もう嫌なんです。」



周りが気遣ってくれるのは、最初の方は嬉しかった。


でも、今はもう…申し訳なくて。


自分の惨めさ、不甲斐なさ、役立たずさ。


全部、負の感情になってしまう。




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