君が見せてくれた、私の世界
「想世架ちゃん…。」


「お願いします。
リハビリ、やらせてください。
こんなこと…九条先生にしか頼めない…。」


「……どういうことかな?」


「…前、向こうでリハビリをしてた時に大きな発作を起こしたんです。
それから母は、異様なくらいリハビリに対して怒ります。
父も、あまりいい顔はしなくて…。」


「…白鷺夫妻は、いつも想世架ちゃんのことを気にかけているよ。
お母様は親身になって、想世架ちゃんの病気のことを調べていた。
お父様も同じだ。」


「……。」



知ってる。


全部、全部知ってるよ…。


ママが慣れない医学書を夜な夜な読んでたことも。


パパは、少しでも良いお医者さんを探そうって探してくれてたことも。


全部分かってるからこそ…もう、これ以上は迷惑かけたくない。






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