君が見せてくれた、私の世界
通された会議室。


ただ、淡々と…診察結果と今の想世架の身体の状態。


それが説明されて…想世架の母親は、泣き崩れた。


想世架の父親は、母親を支えながらも…泣いていた。


じゃあ、俺は?


…俺は……顔に表情を作ることすら出来なくなっていた。



「……う、そ…。
嘘よおおおお!!!」


「聖美!!」


「いやぁぁぁあああ!!!!
嘘だわ、嘘よ!!
あの子が…あの子にかぎって…!!!」


「落ち着いて、聖美!」


「嫌よ!!!
先生、お金ならいくらでも出しますわ!!
ですからっ…あの子を助けてください!」



泣き叫ぶ母親を見て、想世架の主治医は…ただ目を伏せて。


唇を噛みしめていた。




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