君が見せてくれた、私の世界
「…あの、ママ…。」


「なぁに?」


「……黙ってリハビリしてたこと…怒らないの…?」


「……。」



お花を生けてたママの手が止まる。


しばらく、花を見つめて…手元にあった白百合の花を、ママはそっと撫でて…口を開いた。



時間にしたら、きっとママが黙っていたのは少しの時間だったと思うけど。


私には…すごく長い時間に感じた。



「本当は、怒りたいわ…。
なんであんな無茶したの!自分の身体の状態分かってたの?…って。」



でもね…と、ママは言葉を続ける。



「そよが…したいなら、したいようにすればいいかなって…ママは思ったの。」


「…!」


「そよの人生なんだから。
そよがしたいようにすればいい。
…生きたいように生きなさい。」



生きたいように、生きなさい。


ママの言葉が頭の中でリピートされる。



…そうだよ。


私の人生なんだもん。




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