君が見せてくれた、私の世界
初めて制服を見た時は、すっごく可愛くて…着るのが楽しみになったのに。


急に自信がなくなった。


気合いを入れるために、毛先を軽く巻いてハーフアップにして。


そこにお気に入りの白いサテンリボンを結んだ。



「気合い…入れたのに…。」



学校…着かなければいいのに。


やっぱり、行きたくないよ。




ーー嫌な時ほど、早く着いてしまうもので。


学校の駐車場に車を停めて、いつもみたいにパパに抱き上げてもらって、車椅子に乗る。



「…すごい…。」



校舎の裏手にある駐車場なのに、既に生徒さんの声でガヤガヤしてる。


学校って…こんなものなのかな…?


ここまで声がしてくるなんて……。




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