君が見せてくれた、私の世界
夢は…残酷だ。


わたしが…私を傷つけてくる。


歩けるようになるよ?…そんなはずないじゃない。


走れるようになるよ?……そんなこと、絶対に出来ない!!


私の身体は、仮に歩けるようになっても走ることなんて絶対に無理。


発作を起こして倒れるに決まってる。


運動制限がつけられて…結局、走り回るみんなを見てるだけになる。


歩けない私となんら…変わりない。



「……っ!?」




嫌な考えが頭によぎった時。


世界が暗転した。


さっきまで、青空の下でお花畑の中を駆け回っていたのに。


…今度は、真っ暗。



「……なんなの…?」



ここは、なに?


怖い。嫌だ。真っ暗だ。


助けて。早く目覚めて。辛い。逃げたい。



ぽつん…と真っ暗な闇に座り込む私。



どうして…?


車椅子はどこ……?


あれは、私の足なんだよ…!




< 166 / 312 >

この作品をシェア

pagetop