君が見せてくれた、私の世界
涙が止まらなくて、そこでただ涙を流し続けることしか出来ない。


床があるのかどうかも分からない。


落ちる涙は…どんどん下に堕ちていく。



「……っ…。」



もしかしたら、私も堕ちてしまうかもしれない。



そんな考えが頭をよぎって、また恐怖で身体が硬直し始めた。



助けて……。


お願い、助けて…。


怖いの、こんなところ嫌だ。


逃げたい。



「……助けて…!!」



喉が枯れるくらい、叫んだら。


ふわっと…身体が軽くなった。


目の前が明るくなって、真っ白な世界に…白いワンピースを着た私。


さっきまで…真っ黒なワンピースだったのに。



「────想世架。」


「……っ…!」



こちらに歩いてくる、人影。


その人影は…私の大好きな人で、一番会いたい人で。





< 167 / 312 >

この作品をシェア

pagetop