君が見せてくれた、私の世界
典型的な秋空で、窓から見える紅葉が…本当に綺麗。


この病室、唯一自慢出来るのが窓の外からの景色だからね。



なんて思っているうちに、もう1人の看護師さんが朝ご飯を運んできた。



「……はぁ…。」



お粥かぁ……。


メニューにため息をつきつつも、お腹が空いてる私は、2人の看護師さんが病室を出ていくと食事に手をつけた。



「……あれ、美味しい…。」



最近は、味もよく分からなかったのに。


やっぱり…昨日の薬が効いてるのかもしれない。



食事と一緒に置かれたお薬は…明らかに量が増えている。


最初は、6粒くらいだったのに…今日からは9粒に増量。


きっと…これが、効いてるお薬かもしれない。



「……もしかしたら、本当に…治るかもしれない…。」



もしかしたら、すぐに退院出来るようになるんじゃないの…?


学校にも、ちゃんと通えるようになるかもしれない。


……私も、進路のことを考えられるようになるかもしれない。







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