君が見せてくれた、私の世界
ーーやっと、待ちに待った外泊許可1日目。


この日のために、数値がおかしくなったりしないように念入りに過ごした。


安静にしてなさい、って言われてたから…お散歩も行かなかった。


こういう時に限って、数値が悪くて…退院できない、とか何度もあったから。



「そよ。
そよがうちに帰ってくるのは、久しぶりだね。」


「……うん。」



パパが迎えに来てくれて、1ヶ月くらいに家に帰る。


パパに抱き抱えられるのも、久しぶりで…ちょっとだけ緊張した。



「そよ！おかえりなさい！！」


「ママ！！」



パパが家に入って私を車椅子に降ろすと、すぐにママが駆け寄ってきて。


苦しいくらい、抱きしめられた。



「そよが家にいるのね…。
当たり前なのに、当たり前のことなのにっ…。」


「聖美。
そんなに泣かないで。
ほら、玄関は冷えるから…中に入ろう。」


「…っ、そうね…！
そよのために、ママ…いっぱいご飯作ったの！」



ママが泣くから、気がつくと…私まで涙が流れていて。


ママが優しく拭ってくれて、笑いかけてくれた。




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