君が見せてくれた、私の世界
「冷泉くん?」


「せっかくだから、散歩行こう。」


「うん。」



いいよ、と私が二つ返事で返すと。


冷泉くんは、私を抱きあげて車椅子に乗せた。


その一連の動作に、少しも間違いや迷いがなくて少しびっくり。


だって、車椅子のブレーキだって忘れなかったんだもん。



「楽しいか?」


「…うん!」



話せなかった春川くんとも、お昼ご飯を通して自然と会話ができた。


紅葉狩りなんてしたことなかったから、初めての体験で楽しかった。


楽しいこと、沢山できた。



こんなに楽しいことばっかりで大丈夫かな?


人生の楽しみが全部使われてるんじゃないかな?…なんて不安になるくらい。









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