君が見せてくれた、私の世界
「……っ、うぁぁっ…。」


「…大丈夫だ。」



千暁が私を抱きしめながら、手を握ってくれる。


その温かみに安心したのか、どんどん涙が溢れてきて。


それと同時に思いまで溢れてきて、口からどんどん紡がれていく。



「……ぁぁ…っ…死に、たくないっ…!」


「……!!」


「死にたくない…!
まだ、生きていたい…!!
ずっと…一緒にいたい…!」


「……死なせない!!!」


「……っ!!」



自分で止めようと思っても止められなかった言葉が。


千暁の一言で…止まった。



「お前は、俺が死なせない。
俺が傍にいる。
絶対に、死なせたりしない。」


「……っ…。」


「だから、泣くな。
死に連れて行かれそうになったら、俺が掴んでやるから。」



そう言いながら、千暁は涙を拭ってくれる。


いつの間にか日が暮れていて、まるで世界から隔絶されたみたい。


私と…千暁しかいない空間。




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