君が見せてくれた、私の世界
「綺麗…。」


「だろう?」


白い外観の三階建て。


小さな門もついていて、小さな庭には既に花が植えられていた。


今日から…ここに住むんだ…。


そう思ったら、なんだかわくわくしてきた…!



「中も綺麗だよ。」


「わぁっ…!」



そう言いながら、パパはママが先に開けたリビングに足を踏み入れた。


すごい…!


天井にはシャンデリアがかかっていて、ふかふかそうな真っ白くて金縁のソファ。


ママが好きそう…。



「あなた、綺麗ね…。」


「ふふっ。
聖美(きよみ)にも気に入ってもらいたくてね。
もちろん、そよにも。」


「素敵よ、パパ。」


「そうだわ、そよの部屋もあるのよね?」


「あぁ、もちろん。
次はそよの部屋に行こうか。」



私の部屋…!


わくわくしながらパパにしがみついていると、パパはトントンと階段にのぼって行った。


階段…ってことは、私は自由にリビングに行き来できない…。


そんな心配ごとが顔に出ていたのか、パパは優しく笑って言った。



「大丈夫だよ、そよ。
裏にエレベーターがあるからそんなに不安そうな顔をしないで。」


「エレベーター?」


「あぁ。
そよでも楽に移動ができるようにね。」


「嬉しいわ、パパ!ありがとう!」


「ふふっ、そよは可愛いね。」



そんな話をしながら、パパは2階の一番奥の扉を開けた。


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