君が見せてくれた、私の世界
「受験が終わったから、これからはまた想世架に会いに来れる。
…あの男が入れる隙間がないくらい、毎日会いに来る。」


「そ、そこまでしなくても…。
学校だってあるし…毎日は大変だよ。」


「俺が大変なくらい、別に大したことじゃねえんだよ。
想世架があの男と2人きりになるのと比べたら、全然耐えられる。」


「あははっ…もう……。」



ヤキモチ、妬いてる千暁が可愛い…なんて言ったらどうなるか分からない。
こっそり、日記に後で書いておかなきゃ。

ふふっと、口元が緩むのを実感しながら心の日記に留めておく。



「そういえば、宇都宮たちが会いたがってたぞ。
最近、受験生は忙しくて会えないって嘆いてた。」


「あー…縁寿たちとも会いたいなぁ…。
紗綾は時々来てくれるんだけど、どうにも縁寿が忙しいみたいで…。」


「俺的には、宇都宮たちとも会ってほしくないんですけどねぇ。」


「えーっ?」


「お前の瞳に映るのは、俺だけでいいの。
分かった?」


「はーい。」



くすくすと笑いながら、返事をすれば。
それを見て千暁だって笑ってくれる。
可愛いーって言いながら、頭を撫でてまたキスを落としてくれる。


こんなこと、したいって思うのは千暁だけ。
千暁とだから、キスだってしたいって思えるんだよ。



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