君が見せてくれた、私の世界
「紗綾ごめんー!
制服大丈夫!?シミになってない!?」


「大丈夫だよ。
想世架が急いで拭いてくれたから。
…それより、縁寿。
年越しのことちゃんと考えようよ。」


「そーだよ!
年越しどうしよう!
とりあえず、想世架の担当医の先生にお願いしてみよう!!」


「じゃあ、帰りにナースステーション寄ってみようね。
…想世架、大丈夫?」


「うん…!
私もみんなと年越し、出来たらいいな…。」


「その前に!クリスマスだけどね!!
まぁ…クリスマスは、想世架は冷泉と過ごすだろうし…私も家族と過ごすからなぁ…。」


「ふふっ。
クリスマスは、大切な人と過ごす時だからね。
自分が一番大切な人と過ごすといいよ。」



そう微笑む紗綾。
…なんだか、うっとりしてる…?
目を細めながら、形の整った口元を上げてて…なんだかすごい綺麗。



「ちょっと、紗綾〜!
なにその顔ー!なんか怪しくなーい?」


「えぇ〜?そうかなぁ…。」


「怪しい!
ね、想世架もそう思うよね!」


「うん、怪しい。
…まさか、彼氏できた…?」


「きゃー!
想世架ちゃんってば!!」



ふざけたように私の肩をポンッと叩く紗綾。
笑って誤魔化そうとしてるけど…そうはいかないのが私たち。
これは、確信をついてしまった。



「やだぁ、紗綾ちゃん!
いつ彼氏できたのぉ〜?」


「えぇ〜?
1週間くらいかなぁ〜!」



なんて芝居がかって話していたら、ついに私も紗綾も我慢出来なくてお腹を抱えるくらい笑った。




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