君が見せてくれた、私の世界
「そうだ…。
あれから、彼氏さん…とはどう…?」


「あ、大丈夫だよ…。
話せば分かってくれる人だから…。」


「よかった。
そよちゃんのこと、大切にしてくれる人なんだね。」


「うん。」


「そうだ、そよちゃん。
……前にそよちゃんをモデルにして絵を描きたいって言ったの、覚えてる?」


「…?うん。」


「それね、もう少しで…出来るから。
待っててね。」


「えっ…!
私、ちゃんとモデルしてない…よ?」


「うん。
俺、モデルを見ながらじゃなくてもデッサン出来るから…。
頭の中で、インプットさせるの。」


「す、すごい…。」


「絵が得意な人間なら、できるよ。」



絵が得意…な方だとは思うんだけど…。
違うのかなぁ…。
やっぱり、生まれ持った感性とか才能とかも関係してそう。
直央くん、すごいもん。



そんなふうに、絵の話で盛り上がったところで私は夕飯のために自分の病室に戻った。


今日のことも、欠かさず日記に書いておいて眠りについた。





< 220 / 312 >

この作品をシェア

pagetop