君が見せてくれた、私の世界
夕食も風呂もすべて終わった、自室のベッドで横になる。



「あいつのために……。」



あいつのために、俺には何が出来る?
何をしたら…あいつは喜んでくれる?


目をつぶると、すぐに想世架の顔が思い浮かぶ。

眠そうな顔。
目がとろんとして、子どもっぽくなって可愛い。

恥ずかしそうな顔。
顔を真っ赤にして目を潤ませる。
何度も俺の理性を飛ばす悪い顔だけれど…好き。

泣きそうな顔。
苦しそうで、辛そうで…すぐにでも笑わせたくなる。
守りたい、笑顔にしたいって…俺を頼ってくれる存在。

笑った顔。
優しくて、可愛くて、綺麗で。
想世架の笑った顔が一番好きで、母親のような慈愛を持ち合わせている。
あの笑顔の為なら、俺はなんでも出来る。



「……っ…むか、つくわ……。」



目を閉じれば、想世架のことしか浮かばない。
あいつが俺の隣にいない人生なんて、想像がつかない。


……涙が、止まらない。
あいつが隣にいないことに、恐怖まで覚えそうになる。




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