君が見せてくれた、私の世界
「……す、な…ぉ…くん……!」


『ほらほら、泣かないで。』


「だってぇ……。」



ボロボロと涙をこぼす。
こんなの夢なんだから、どんなに失態を晒したって良いじゃない。

…なんて、開き直ってわんわん泣いていたら。
チュッ、音がして…おでこに何かの感触。



「……へ…?」


『俺ができるキスはおでこか頬だから。』


「……あ、え、っと……。」



キス……?
私、キスされたの…!?

えっ!?うそでしょ!?おでこ!?!
夢なのに、なんだかリアルな感触だった……。



『あははっ!
もう〜!相変わらずだなぁ…。
……そろそろ、俺いかないと。』


「……いっちゃう、の…?」


『うん。
でも…もう大丈夫だから。
そよちゃんは、大丈夫だから。』


「ま、まって…!
それってどういう…!!」



それって、どういう意味なの…!?

それを聞こうとするところで……目が覚めた。




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