君が見せてくれた、私の世界
ーー「……想世架…?」



ママが電話をしに行って少しすると。
驚いた顔をする、千暁が入ってきた。
それでも、私の顔を見るとすぐにその顔は、微笑みに変わった。



「おばさんが言ってたこと、本当だったんだな。」


「……?」


「さっき、下のエントランスで会ったんだ。
そうしたらお前が元気になったって…。」


「ママったら…。
でも、なんか…元気になっちゃった。」


「……よかった。」


「わっ…千暁…?」



ぎゅっと、抱きしめてくる。
こんなふうに抱きしめられるのは、いつぶりなんだろう。

大好きな人に、抱きしめられてると…ほっとする。



「また…想世架を抱きしめることが出来て良かった。」


「……うん。」


「今度こそ、やばいかもしれないって……。
俺、嫌な想像ばかりしてた。」


「…大丈夫だよ。」


「ったく…。
心配かけんなよ…。」


「わぁぁ……。」



わしゃわしゃーと頭を撫でる千暁は。
慌てる私を見て、楽しそうに笑った。


……好き、だなぁ。
千暁のその、笑った顔…すっごく好き。

見ててドキドキしちゃう。


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