君が見せてくれた、私の世界
「お散歩…行きたい。」


「お散歩?」


「うん…。
ほら、外…軽く雪積もってるから。」


「大丈夫なのか…?」


「うん。
…行っちゃ、ダメかなぁ……。」



行けるところには、行きたい。
今のうちに…行かないと。



「……しゃねーな。」


「連れてってくれるの…!?」


「あぁ。
九条先生に許可もらえたらな。」


「はーい!」



私と千暁のお散歩といったら、病院の外を出てすぐにある公園。


わくわくしながら九条先生に聞くと、渋々といったところで許可が降りた。





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「千暁とお散歩久しぶりだなぁ…。」


「そうだな。
…ちゃんと、上着着てきたか?」


「うん。」



パジャマの上から、カーディガンと大きめのショールを羽織って千暁とお散歩に出かけた私。


外に出る予定なんかないから、ちゃんとしたコートや服は病室に置いてない。


今日はやっぱり、寒い。



「……くしゅっ。」


「これ、着とけ。」


「わっ…だ、大丈夫だよ。
千暁が風邪ひいちゃう。」



千暁はくしゃみを漏らした私を見て、ふっと笑いながらもコートを肩に掛けてくれる。



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