君が見せてくれた、私の世界
温かくて、千暁の香水の香りがほのかにしてて…すっごく嬉しいけれど。

このままじゃ、千暁が風邪ひいちゃう。
今日は寒いんだから。



「俺はいいよ。
想世架は身体強くないんだから、ちゃんとしておけ。」


「ご、ごめんね…。」


「そこはありがとう、って言え。」


「は、はいっ…!」



ぺしっ、と頭を叩かれる。
それでも痛くないのは、千暁の優しさ。



ふふっと、お互いに微笑みあってから…私たちは歩みを進めた。




「雪景色…綺麗だねぇ…。」


「そうだな。
お前と見れたから…余計に綺麗なのかもな。」


「想世架ちゃんパワー?」


「そう。想世架ちゃんパワー。」



ふざけて言ったつもりだったのに。
千暁が、当たり前とでも言いたげに返してくるから恥ずかしくなった。


い、言わなきゃ良かった…。
私のおバカ…。



「…くくっ、お前…顔真っ赤。」


「し、知ってるもん!」


「ムキになんなって。
可愛いから。」


「…ぁ……。」



ドキドキ。
何気なく可愛いって言われただけなのに、ドキドキして余計に恥ずかしくなる。


これは…千暁パワーだ。


千暁だから、可愛いって言われて嬉しくなる。
ドキドキもするし、ニマニマしちゃう。





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