君が見せてくれた、私の世界
『……そよちゃん。』



ふわり、と温かさに包まれる身体。

直央くんの温かさに、落ち着いてきて涙も止まり始めた。



「…泣いちゃって、ごめんね…。
もう、大丈夫だから。」


『……本当に…?』


「うん。」



涙を服の袖で拭って、直央くんに微笑みかける。


もう、大丈夫だよ。
ありがとう。
覚悟は出来たから。




『……大丈夫、みたいだね。』


「ふふっ。」



直央くんは、まっすぐ私の目を見つめて。


……そっと私の手を取った。



『いこうか。』


「うん。」





ありがとう、千暁。
ずっと私の傍にいて、私を愛してくれて。
感謝してもしきれないよ。


好きでした。
ずっと、貴方にあってからずっと変わらず好きでした。
愛しい貴方へ、さようなら。



私、今不思議と穏やかな気持ちなんだよ。
なんでだろうね。

怖い、とか、辛い、とか。
悲しい、とかの負の感情はない。

夜の、穏やかな海が近いのかな。






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