君が見せてくれた、私の世界
「……あんな、安物でも喜んでくれてたのかよ…。
もっと、ちゃんとしたやつをあげれば良かった。」



後悔したって、遅い。

それでも…想世架があのネックレスを肌身離さず、ずっと持ち続けてくれていたのは知っている。


想世架の胸元には、いつも俺があげたネックレスが光り輝いていたから。



「……っ、俺だって…お前に会える日々が楽しみだった…。」



読めば読むほど、情けないくらいに涙が溢れて止まらない。


あいつが密かに思っていたこと。
俺が思っていたこと。



…もっと、早くに。
気がつければ良かった。


今更言ったって、遅いのは分かってる。





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